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世界をでっかく小さく〜イタリア旅行記〜⑥

ヴェネト州jpg
イタリア北部ヴェネト州(google map)



サラリーマンが少ない日数の休日を利用して海外旅行に行く場合、効率的に一つでも多くの観光地を訪れようとして一分一秒の隙もない緻密なスケジュールを組みがちになる。イタリアのように見所の数があまりにも多く、国中にそれが散らばってしまっている場合は、その傾向がより顕著になる。

その副作用として、沢山の観光地を訪れることができたのはいいが、その土地、建築物が持つ伝統文化や歴史的背景を深く味わうことなく旅行が終わってしまうということになるのである。人生を味わい深いものにしてくれるのが旅の面白いところなのに、殆どの人は手元に残った膨大な写真とトイレの失敗談程度の笑い話しか思い出が残らないのである。
これなら海外で自分探しをしている大学生の方がはるかにその土地のことを学んでいそうである。何せ海外に別の自分がいるのだから強い。そのドッペルゲンガーの役割たるや相当なものである。

サラリーマンの方が生きて来た時間が長く、お金もあり、色々なことを知っているはずなのに、肝心なところでつまらない体験しか得られていないのだ。なんということか。

そんなわけで、私と望月君は「皆が行かないところに行こう!!」と意気込んでいた。『地球の歩き方』で紹介されている魅力的なイタリアの街をいくつかピックアップし、その中でヴェネツィアから日帰りで行けるパドヴァという街に注目した。
「何か良さそう!!」
そういって意気揚々と、我々は知らないオッサンにホームでカバンを開けられるという前代未聞の経験を重ねながらパドヴァに向かったのである。

〜旋律!!スリ注意!!〜

 我々が電車に乗り込んだのはメストレという駅だ。ヴェネツィアのサンタルシア駅から電車で10分程度、陸に入った所にメストレの街がある。

 ヴェネツィアというと美しい運河のイメージが先に出て来てしまい、宿泊するとなるとそこしかないような印象をうけるのだが、実際はこのメストレ駅前にもホテルが何軒かあり、そこに宿泊する人が多いのである。
 我々もここに宿をとった。

IMG_4863.jpg
ホテルからメストレ駅を見下ろす

IMG_4866.jpg

IMG_4868.jpg



 そのメストレからの電車移動はこれまた10〜15分程度なのだが、そこで望月君が自分のカバンの異変に気がついた。
 「あれ、カバン…が…??」
 「どうした?」
 「俺、カバン開けられたかも…??」
本人が「??」を発しているあたりで、「おかしなことを言うものだなぁ」と思った。
普通、すぐ気がつくと思う…。
 「かもって何や?」
 「いや、自信はないんだけど、メストレで電車を待っているときにおじさんがやたら密着してきていたんだよね。気がついてはいたんだけど、今カバン見たら開いててさ…。少し(10センチくらい)だけど。」
旋律が走った。背筋が凍った。我々は目を見合わせて息をのんだ。
 「大丈夫か?何か撮られてない?」
 「ガイドブックしか入れてないし、財布とかはズボンのポケットに入れているから大丈夫…。」

 少し場の空気が暗くなるのを感じた。
 海外旅行のガイドブックには「置き引きやスリに注意!!」と必ず書いてあるものの、それまで特に気にしたことなんてなかった。この小さな体験が、我々に「ここは日本ではない」ということを改めて認識させたのは言うまでもない。

 何と言うか、イタリア人は陽気で、人懐っこいと思う(空港の入国審査官は除く)。
 話しかけても常に笑顔で、「どこから来たの?東京?大阪?」「本田は良い選手だよね!!」などと接してくれるから、イタリアに到着したときの最初の緊張感が自然と次第に無くなっていってしまうのだ。
 自分に好意を持って接してくれる人を不快に思う人はいない。
 このイタリア人が持つ魔力が多くの日本人のみならず世界中の人々を魅了するからこそ、イタリアが世界最強の観光地でいられるのである。ただ単にローマ帝国時代の遺産で食っているわけではないのである。

 だからといって、全てのイタリア人がこんなふうに人たらしだということにはならない。人を騙してお金をとろうとしたり、奪ったりする人もいるわけなので、皆さんもイタリア人のひとたらしには十分ご注意あれ!!

〜パドヴァを歩く〜
パドヴァはイタリア北部ヴェネト州にある。紀元前9世紀、この地域は都市として繁栄し、ローマに次ぐ富裕都市と称されていた。ヨーロッパでも最古の大学の一つであるパドヴァ大学がある。ここでは地動説で有名なコペルニクスが学び、天文学で有名なガリレオガリレイをはじめ、日本でも有名な歴史上の偉人達が教鞭をとっていたという。
 
 我々は駅から街の中心に向けて歩きはじめた。

IMG_4872.jpg
電車とホームの高低差に注意

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 駅前通りには路面電車のレールが敷かれ、時々電車が走ってくる。そのせいか、車が見当たらないわけではないがあまり走ってはいない。
 また、日本の駅前通にありがちな鉄筋コンクリートジャングルやカラフルな看板が全く見当たらない。街の景観がこの街の人々によって大切にされているということがよくわかる。

 名前が分からない橋。
 これだけで絵になる。

IMG_4874.jpg



 寿司屋を見つける。
 何故こんな所に寿司屋があるのだろう。謎だ。

IMG_4873.jpg



 街の中心まで来た所で丁度お昼になった。
 我々は、ラジョーネ宮が見える広場で休息をとることにした。

IMG_4881.jpg
ラジョーネ宮



 このラジョーネ宮は、市庁舎兼裁判所として利用されて来た建物。中世以降のものということだが、その存在感は数あるこの街の歴史的建造物の中でも圧倒的だ。隣接する建物は今も尚市庁舎として利用されていることから、この地区は昔も今もパドヴァの経済、政治、行政の中心部であるということがわかる。

〜イタリアでも猛威!!「ワンオペ」の実態!!〜
 
ゆっくりレストランで腰を落ち着かせ、注文をとる。
 「すいませーん」
 …
 ……
 ………
 待てど暮らせど人が来ない
 私は立ち上がって人を呼びにいった
 「すいませーん」
 「はぁい!!」
 「注文!!」
 「OK!!すぐ行くよ!!」

 しかし、更に10分程待ったが、誰も来ない。ふと周りを見ると、他のテーブルの注文はとっているようだ。要するに、我々のテーブルだけ無視されているのだ。
 「俺、呼んでくるよ」
 今度は望月君が席を立った。
 すると、今度はすぐに人が注文を取りに来た。
 下せん。なんだこれ。
 
「注文は何にする?」
うむ、無視されたのは気に入らないが、よく見ると店員さんは15程度あるテーブルを一人でカバーしているようだった。お客さんはそのうち半分程度のテーブルについている。皆家族連れといった様子で大体一組あたり4〜5人はいた。これを一人で注文取りをし、配膳し、会計まで行うのだから無視されたというよりは手が回りきっていないのだろう。ちょっと気の毒だ。
日本で問題になったファーストフード店の「ワンオペ」が、まさかこのイタリアの地でも猛威を振るっているとは思わなかった。

「そしたら、まずはアクア・ガッサラータ」
「OK!!」
アクア・ガッサラータとは、炭酸水のことである。夏は猛烈な熱さになるイタリアでは、自然とたくさん汗をかき喉が乾く。ここで水をゴクゴクと飲んでしまうとお腹を壊すことになりかねず、かえって脱水状態になりやすい。そこで、代わりに炭酸水を飲むことで身体を壊すことなく冷却作用を高めるのだ。
かの有名なレオナルド・ダヴィンチは、このイタリア炭酸水の隠れファンであり、この水代として『モナリザ』を描いたという(大ウソ)。

「あと、ナポリタン」と私。
すると、店員が私の注文に待ったをかけた。
「ふっ、君に良いことを教えてあげよう。イタリアではナポリタンではなく、ラザニアこそが伝統的な料理なのさ!!イタリアに来て食べないなんてもったいない!!ここは絶対ラザニアでいくべきだぜ!!」
満面の笑みでウィンクしながら言うのだ。
な、な、何なのだ!??
「いや、パスタを…」
「ここは絶対ラザニアでしょ!!」

「…えーっと」
店員「ラ?ザ?」
「お、おう…」
………

私のテーブルには、無事ラザニアが並んだ。美味しかったです。

IMG_4883_20161119230015ee2.jpg
ラザニア



余談だが、私は食事を終えて会計を済ませたあとお手洗いを借りた。店内に入ると、そこにはクーラーで涼みながら4名程の店員が楽しくおしゃべりに花を咲かせているではないか。だとすると、あの店員さんはこれだけ仲間がいるにも関わらず一人で外を担当していたことになる。可哀想だ。
しかし、用を足して戻ってみるとあの店員さんもおしゃべりに入って楽しそうにしていた。

彼らの関係には、大いに闇を感じることとなってしまった。
 
〜サンタントニオ聖堂へ〜

 散策を再開する。
 
 途中、コンビニ『SPAR』を見つけた。
 首都のローマでさえコンビニを見なかったのだから、ましてこんな小さな街にあるとは思わなかった。しかも、『セブンイレブン』でも『ファミリーマート』でもなく、北海道のコンビニ『セイコーマート』でさえなく、『SPAR』。謎だ。何故『SPAR』でなければならないのか。謎だ。

IMG_4880.jpg



 道を進むと、川に出た。

IMG_4886.jpg



 更に道を進むと、サンタントニオ聖堂が見えて来た。

IMG_4892.jpg

IMG_4893.jpg



 その大きさにただただ圧倒される我々。パドヴァの人には申し訳ないが、かつては栄えたパドヴァと呼ばれる都市も、今は寂れた田舎町のような感じでしか我々は見ていなかったというのが正直なところだ。街がレンガ造りで奇麗なのも、ヨーロッパという地域の特性を考えれば何も珍しいことではないし、「むしろ、こんなもんなのでしょ?」と高をくくっているような感じでさえいた。

 しかし、このサンタントニオ大聖堂を見た瞬間、我々は思わず「この小さな田舎町でこのレベルなのか…」と息をのんだ。

 一通り大聖堂周辺を見学し終えた後、我々はイタリア旅行の日程が折り返し地点で疲労もたまっていたため、早めにホテルに切り上げることにした。

 明日はいよいよヴェネツィア観光だ。
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オススメ!!世界をおっきく小さくする読書

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