スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

社会の視点 自己責任の基準〜イスラム国人質事件を巡って〜

1月21日、イスラム国が日本人二名を人質にとり、日本政府に対して身代金として2億ドルを要求するという事件が発生しました。

巷やWEB上では、「国民一人当たりの負担は100円程度なのだから、すぐに払って解放しよう!」「人の命は地球より重い!」「安倍首相辞任と引き換えにしよう!」「身代金が次の人質事件を誘発し、また新しい紛争の火種になる可能性があるから、払うべきではない!」等の声が出てきており、「助けたい、けど、現実を考えると難しい」という葛藤が伺えます。

さて、ここでこんな声に耳を傾けてみましょう。

 危険だとわかっていて行っているのだから、自業自得、自己責任だ




【「触らぬ神に祟りなし」と自己責任論】
 
 自己責任論とは、そもそも何でしょうか。引用してみましょう。

 「自己責任論」とは、結果を予測し得る状態において、自らの自由意思で選択・決定して行動した結果については、自らが責任を負うというものです。今回の事態に当てはめると、「危険な場所であることを承知で自らそこに行ったのだから、自業自得であり、日本政府が身代金を支払ういわれはない」ということになるのでしょう。このような「自己責任論」は、2004年4月にイラクで邦人5人(市民活動家やジャーナリスト)が武装グループに拘束された際にも同じように噴出していました。「極端な「自己責任論」の台頭、社会崩壊を招く?」2015年1月24日ガジェト通信(田沢 剛/弁護士)

 また日本には、昔から「触らぬ神に祟りなし」という諺があり、余計なことに手を出したり、関わったりしなければ、そのものから受ける悪い出来事などは、起こらないと説明されます。
 今回の事件は、この諺を地で行くような展開になったと言えるでしょう。政治家が「触らぬ神に〜」と言えば批判を受けるでしょうが、我々庶民は、堂々と「諺の通りになった。自業自得だ。」といって差し支えありません。先の引用の通りです。

「日本の首相よ。あなたは『イスラム国』から8,500キロ以上も離れているのに、自ら進んで十字軍への参加を志願した。」とテログループの実行者は動画で語っていましたが、彼は、図らずもこの諺の真理を突いています。文字通り、人質になってしまった二人は、神の正当性を巡る争いにわざわざ首を突っ込み、その結果として災いを招いてしまったのですから。

 自己責任論と触らぬ神に祟りなし(長いので、以下「この諺」とだけ表現します)は、言ってしまえば、事態を動かせるだけの実力がない政府側の視点と、その無力さに対する庶民側の視点を言い表した言葉だと言えるでしょう

【自己責任論は、どこから適用される?】

 政府が無力であるというのは、単なる皮肉で言ったのではありません。我々民間人は、簡単に政府の実力を越えることができてしまうという事実を改めて認識しなければならないと主張したいのです。

 自己責任論が、政府が無力(だと認識せざるを得ない)であるということの裏返しであるとすると、それが成立する条件は何でしょうか。 
 今までの情報から、素人なりにまとめてみましょう。

1. 政府や社会は、そこが危険だと認識していたし、そう呼びかけていた(外務省の渡航情報が、政府の認識だと思われる)
2. 政府と現地(イスラム国の周辺地域)の間に信頼関係と人的パイプが希薄である
3. 相手(イスラム国)と容易にコミュニケーションがとれるわけではない
4. コミュニケーションに、第三者を多く経由させなければならない等、手間暇がかかる
5. 遠距離で砂漠の真ん中にあり、アクセスが容易ではない
6. 救助が容易ではない
7. 紛争地域であり、誰も状況コントロールができていない
8. 法制的(例:憲法9条)に大胆な行動がとれない
9. 被害者の落ち度が大きく、政府側が事件に振り回されている状態である

これらが、自己責任論(政府無力)状態を出現させる条件であると考えられます。この条件が達成され、またその重大さが重ければ重い程、自己責任論が肯定されやすくなるといえるでしょう。勿論、こうした項目の一つ一つを我々の努力で変えることは不可能ではありませんが、限度というものがあるでしょう。

ただ、世の中には、こうした紛争や人権無視の状況を変えるべく活動している人がいることは間違いなく、彼らが拘束されてしまったとして、この件と同じように「自己責任だ」と切り捨ててしまうのも問題があるのではないでしょうか。
彼らの活動が上手くいけばその流れに無責任に乗っかり、失敗すれば「自己責任」だなんて、あまりにも虫がよすぎますからね。日本の報道機関の節操のなさを見ると、「苦しい中でも努力して」と感動ものに仕立て上げること間違いなしです。かつては好き勝手に批判していたくせに。
道義的に許容される考え方ではないでしょう。









【新品】【書籍・コミック 人文・思想・社会】イラク「人質」事件と自己責任論 私たちはこう動いた・こう考える



価格:
1,296円


(2015/01/24 14:11時点 )


感想:0件




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

オススメ!!世界をおっきく小さくする読書

カテゴリ
プロフィール

FC2USER090356QPW

Author:FC2USER090356QPW
閲覧いただき、ありがとうございます。

当ブログは、「人生を味わい深いものにするためには、どんな情報や発想、知識が求められるのか」という疑問を元に、仕事、時事問題、国内外の旅行、教養といった分野からヒントをもらっていこうというのが主旨となっています。
また、英語での日本情報発信(主に私の英語の練習のためですけど)も行っていますので、「この英語、変じゃない?」という指摘も送って下さると助かります。

他に、仕事や旅行、生活を充実させるためのちょっとした情報もアップしていくので、どうぞ楽しんでいって下さい。

最新記事
仕事に役立つ情報を得る
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カウンター!
ご了承事項
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。