世界をでっかく小さく〜イタリア旅行記〜⑦ ベネツィア記 パート2
ベネツィア・サンタルシア駅に向かう電車は、浅い海の上を徐行しながらゆっくりと進む。
どれくらい浅いのかというと、漁師が海の中で立って漁ができてしまうくらいのレベルだ。車内から濁った海を眺めていて、たまたま水面から人の上半身が出ているのに気がついたのだ。イタリアで犬神家の一族がブームだなんてことは聞いたことがないから、恐らくあれは漁師だったのではないかというのが、私の見解だ。
ベネツィアは地理的に潟だから、潮が引けば人が入ることくらい簡単なのだろう。
望月君に「この海、結構浅いね。」と話しを振ってみたが、彼は全く気がつかなかったらしい。
おや、まさか私だけに見える自殺者の霊か何かだったのだろうか。が、私は霊の存在を信じてはいないので、これは望月君と私が全く別のところを見ていたということの証拠だろう。
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